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MOTER ◆/Fnde2WILg 羽佐間翔子 近藤剣司 小楯衛 カノン・メンフィス 春日井甲洋。 (……畜生!) 仲間が、友達が、自分の知らない場所で次々と死んでいく。 ……甲洋も死んだ。結局、まともに話し合うことすらできなかった。 彼は俺の知っている甲洋だったのか、ホムンクルスというコピーだったのか。 衛と翔子は本当に生き返ったのか、……きっと、もう知る術は無い。 剣司、カノン。フェストウムとの戦いの中で最後まで一緒に生き延びた友達ももう居ない。 そして真矢は、誰かを殺した。 (今まで何をやってたんだ、俺は!?) 地面に拳を打ちつける一騎の前には顔を押さえて苦しそうに俯くシャーリーが居る。 さっきまでの惨殺ショーは一体なんだったのか、幻覚の一種だとでもいうのか、 彼女はピンピンしている。無事で良かった事は幸いだが……。 「そんな、馬鹿な……!?」 ――――この人がこんなに動揺するなんて。 温泉で自分を励ましてくれた、あの何事にも動じそうな包容力を備えたシャーリーさんが 尋常でないほど狼狽している。それほど大切な人が死んだというのか。 「あの……シャーリーさん、ひょっとして……。」 サーニャ・V・リトヴャク。 真矢が殺したらしい、恐らくシャーリーさんと同じ世界から来た仲間。 心臓が跳ねる音がする。 自分の友達が、この人の大切な人を奪ったというのだろうか? 「サーニャさん、て……。」 「近藤剣司、君の友達か?」 「!?」 俯いたままのシャーリーに剣司の名前を告げ、思わずその場で立ち止まる。 そういえば、剣司を殺したというのは――。 「……ルッキーニが人を殺したって?ははっ、そんな馬鹿な。」 サーニャとリーネが死んだこともショックだったが、 彼女をかつて無いほど困惑させているのはその後続いた内容である。 エイラは言いたくないが、仕方が無い。 あの娘は普段はヘタレだけどこういう場に放り込まれたら サーニャを助ける為にたとえ501全員を敵に回してでも戦うだろう。 サーニャが絡んでいる状況ならそれだけの覚悟がある筈だ。 でも、ルッキーニは……。 「私の、せいなのか?だとしたら、とんだ監督不届きだな。」 「……シャーリーさん。」 現場を知らない者は、殺した側と殺された側の状況は判らない。 淡々とした放送のみで想像されるのは常に最悪なイメージでしかない。 「俺の友達も、きっとあなたの友達を殺しました。」 「……全員を殺すしか、確実に帰れる方法が無いみたいだからな。 嫌味なくらいよくできたゲームだな、本当。 で、友達を殺した奴の仲間の私を殺したくなったかい?一騎君。」 「そんなこと、できる筈が無いです!」 報復の連鎖。わざわざ下手人を公開した主催者の狙いは正にそれだろう。 ここで乗せられてせっかく心を許したものを憎み、 疑心暗鬼になってしまっては完全に思う壺である。 「そうか、じゃあ、私も、少し冷静にならないとな。」 両手で自分のほっぺを叩いて、シャーリーは立ち上がる。 「私はルッキーニを捜すよ。絶対、なにか事情がある筈なんだ。 私が信じてあげなくてどうする。真矢って娘も、きっと何かある筈だよ。」 「ええ!」 いつの間にか、自分が知っている彼女の顔に戻っていた。 過去の事を悔やんでも仕方が無い。前に進むことが、生き残った者の義務である。 「……と、言ったものの、ちょっと問題ありだなー、こりゃ。」 問題というのは、幻覚から目覚めた時に一騎が発見した置手紙である。 『逃げた少年を追う為に、これを借りる』と書かれた内容どおり、シャーリーが装備していた 武装錬金「モーターギア・アナザータイプ」がなくなっいていた。 放送の無いようだとアルファルドが甲洋を殺した訳ではないというのは不幸中の幸いであったが 今自分達には高速移動の手段が無い。探索するには不十分だ。 「アルファルドが戻ってくるのを待つか?いや、多分戻ってこないだろうなー。」 一時的に手を組んだ、それだけの知り合いである。 あっさり見捨ててしまう可能性も十分考えられる。 「あーあ、やっぱ、歩くしかないかな。」 「そうですね。……ん?」 病院の外で、蹄の音がする。 二人で壁越しに外の様子を見た。 そこに居たのは……。 「な、なんだありゃ!?」 「……咲良!!!!」 一騎は病院から飛び出し、女性を乗せた馬に駆けつけた。 「ちょっと、一騎君!?」 「仲間です!あの人は俺たちの!」 「そ、そうか、それはいいんだが……。」 シャーリーも後に続いて駆け寄る。 その女性、馬に跨る要咲良の様子もまた尋常では無かった。 なにせ全裸である。服を何も身に着けていないのだ。 ぶつぶつと何かを呟きながら、 まるでフェストゥムに同化されたかのような虚ろな瞳で黒竜号にまたがる その姿にかつて要流の師範代を務め、竜宮島最強の女と呼ばれていた面影は 微塵も残されていない。 「……これは酷いな。一体何をされたんだ?」 「咲良!しっかりしろ!」 「……き。」 「え?」 「……嘘つき。」 剣司が、死んでしまった。 いつか自分よりも強くなって私を護ると言ってくれたあいつが。 ゴリラに強姦されそうになるような地獄における、唯一の希望が失われた。 もう、何を信じればいいんだろう。何もわからない。もうどうでもいい。 「と、とにかく、病院に戻ろう。」 二人掛りで馬から下ろされている時もまるで現実感が無かった。 片方は、ひょっとして一騎だろうか?……ははっ結局一勝もできないままだったね、剣司。 もう片方の胸の大きい女の子は黒竜号を希望に満ちた瞳で見つめていた。 一体なにがそんなに嬉しいのか。 「……馬!乗り物っ!」 「シャーリーさん?」 「……すまない一騎君。必ず戻ってくるから、この娘と一緒に少し待っててくれないか?」 「気持ちは分かりますけど、でも。」 「頼む、私はルッキーニを捜さなきゃいけないんだ!」 その名前を聞いて、咲良の瞳に生気が戻った。 ルッキーニ、フランチェスカ・ルッキーニ。 剣司を殺した奴の名前。 なんでその名前が今出てくる? そうか。 「仲間なんだ、ルッキーニの。」 「咲良?」 その瞬間、一騎の体を突き飛ばした咲良は、鞍に引っ掛けていた散弾銃を手に取った。 「このぉ!!」 「……シャーリーさん!?危ない!」 「え?」 子気味良い発砲音と共に、散弾銃が火を噴いた。 不意を突かれたシャーリーの体に、12ゲージショットシェルの雨が降り注がれる。 避ける間もなくそれらをすべて豊満な身体に受けたシャーリーは、 血を撒き散らしながらその場へ崩れ落ちた。 「シャーリーさん!!!!」 「どいて!一騎ぃ!」 「なんてことを!」 「そいつの仲間が殺したのよ!剣司を!」 「こんなことしたって意味が無い!」 「うるさい!邪魔すんなぁ!」 間髪居れずに一騎にも銃口が向けられる。 反応とした避けようとした一騎が、何かに服を引っ張られた。 息も絶え絶えなシャーリーである。 (……すまない一騎君。) 口から血を流しながら、何かを小さな声で何かを伝えていた。 (ルッキーニは、殺し合いに乗る娘じゃない。もし遭えたら、ちゃんと話を聞いてあげてくれないか?) (シャーリーさん?何を!?) シャーリーの身体が光り、ウサギの耳がぴょこんと生える。 その発光はいつの間にか一騎と、もう片方の手で触れていた黒竜号にも移っていた。 (……頼む、最期の、お願いだ!) 「うわっ!?」 一騎はシャーリーの手によって黒竜号の上に投げ出され、背中に乗せられた。 それと同時に、立ち上がったシャーリーが黒竜号を思いっきり蹴り飛ばす。 その衝撃に驚いた黒竜号は思わず走り出し、異常な速さでその場から姿を消していった。 「……えぇ!?」 その場に取り残された咲良は呆然と立ち尽くす。 全身から血を垂らしながら立っているシャーリーは語りかけた。 「なぁ、私を殺したら、ルッキーニにを殺しにいくのか?」 「あ、当たり前じゃない。」 「……そっか。」 言葉を終えた直後、一瞬でシャーリーの身体が膨張した。 錯覚させる程の速度で彼女は咲良の目の前に立っていたのだ。 慌てて散弾銃の引き金を引こうとするが、手に感触がない。 何事かと慌てふためく咲良はそれに気付く。 目を離した覚えは無いのに、銃口を向けていたはずのシャーリーが、 逆に散弾銃をこちらに向けていることを。 「……なに、これ?」 「種も、仕掛けも無い、ただの、魔法だよ。」 「……剣っ!」 原始的な発砲音が鳴り響き、全裸の咲良に非情な散弾が降りかかる。 散弾は撃つ距離が近づけば近づくほど一部を集中して破壊する。 助かる可能性は、0だった。 (……けん、じ……。) 信じられないような顔をしたまま、咲良の身体は空を見上げて倒れ込む、そのまま動かなくなった。 「……すまないな……でも……私もあの娘には死んで欲しくないんだよ。 君と君の彼氏の対価は……私一人の命で勘弁してくれないかな?」 シャーリーの通った場所は、異常な速度で噴出した彼女の血液で道が作られていた。 即死しなかったとはいえ、この状態で加速の魔法を使うことは自殺に等しい行為だったのだ。 咲良の死体を悲しそうに見つめながらシャーリーは皮肉そうに嗤う。 (……これで私も一緒だな、ルッキーニ……。) そしてシャーリーもまた、空を見上げながら大の字になって倒れこんだ。 太陽が眩しい。夜が明けて朝になっていたのだ。 ――もし地獄があるのなら、私はそこで待ってるよ。 ――私も罪人なんだ、同じ場所で、また遭えるさ。寂しくないだろう。 ――でも、でも出来ればやっぱり生き延びてくれ。 ――何があっても、私だけは最後までルッキーニの味方だからさ。 ――空の上から、ずっと見守って……。 ゆっくりと、目を閉じる。 それが開かれることは、二度と無かった。 【 シャーロット・E・イェーガー@ストライクウィッチーズ 死亡 】 【 要咲良 @蒼穹のファフナー 死亡 】 【 残り36人 】 【一日目 D-5 道路 朝】 【真壁一騎@蒼穹のファフナー】 [状態]呆然自失、深い喪失感 [装備]宝剣・靖王伝家@真・恋姫†無双 、黒龍号@魁!!クロマティ高校 [道具]基本支給品×1、不明支給品0~1 [思考] 基本:竜宮島の仲間を島に帰す 1:咲良…シャーリーさん… 2:総士、翔子を守る 3:竜宮島の仲間を探す ※現在南へ向かって通常の三倍の速度で移動中です。 ※C-4の二人の死体の傍にに散弾銃、ランダム支給品0~3が放置されています。 064 世界の蝶番はうめく 投下順に読む 066 留守番 時系列順に読む 053 死の先を逝く者たちよ 真壁一騎 0 [[]] 053 死の先を逝く者たちよ シャーロット・E・イェーガー 死亡 046 誤解~だんぜつ~ 要咲良 死亡
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音無結弦 2 000 胎動 ◆tu4bghlMIw 氏 001 邪気乱遊戯 ◆RwUmY1K.wU 氏 仲村ゆり 3 008 女の子は世界に一人。だから彼女は神様だ。 ◆2u7VFI8mcw氏 031 フラスコの中の小人 ◆MS8eAoJleg 氏 042 オープンウォーター ◆/Fnde2WILg 氏 立華かなで 2 014 Phantom Beats... ◆5YzaoxPYTw 氏 029 天使~Angel~ ◆x/rO98BbgY 氏 058 堕天使~foring-Angel~ ◆/Fnde2WILg 氏 069 シミュラークル ◆PuVQoZWfJc 氏 ユイ 2 002 教会と銃声 ◆JnTFjVKio2 氏 015 鮫は地を這い、竜は天を撃つ ◆Xb3cjlZ4Zs 氏 日向秀樹 1 022 チャオ ソレッラ ◆x/rO98BbgY 氏 直井文人 2 006 誰が為にその命 ◆dEjq8b.G0U 氏 018 死が二人を別つまで ◆x/rO98BbgY 氏
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関連ブログ @wikiのwikiモードでは #bf(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するブログ一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_161_ja.html たとえば、#bf(ゲーム)と入力すると以下のように表示されます。 #bf
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メイドインヘブン ◆/Fnde2WILg 「フレディィィィ!!!!!! どこだぁぁぁぁ!!!!?」 トランペットの音が鳴り響いた空港(幸い、周辺には誰もいなかった)を後にした少年、 皆城総士は行方不明になっている同行者を捜して彷徨っていた。 男の名はフレディ。本人に確認してないが間違ってはいない筈。 明らかに怪しいがまあ敵意はないようなので放っておけなかった総士は彼を連れて行くことにしたのだ。 ところがしばらく歩いて雑木林に差し掛かった瞬間、突然フレディは走り出した。 腕立て伏せを一回で挫折した男とは思えぬ異常な速度で駆け出した彼は瞬く間に総士の前から姿を消した。 (――そうだ、放っておくべきなんだ。なのに何故俺は奴を血眼になって探索している?) 殺し合いという異常な環境が冷静な判断を鈍らせているというのか? そう思ったその時、 「きゃああああぁぁぁぁぁ!!!!」 女性の悲鳴が、辺り一面に轟いた。 「あっちか!?」 ◇ ◇ ◇ 「うわぁ!なんだ!こいつは?」 突如、関羽の背後に現れたトランペットを持った上半身裸の筋肉質の男に思わず槍を向ける。 すぐ近くには、今しがた遭遇した男女の二人組の片割れの女が腰を抜かしていた。 「な…何このプロレスラーみたいなの…こいつもあなたの仲間!?」 「違う、こんな奴知らない!」 「もう!ピノッキオォォォ!こんな時になにしてるのよ!」 「す、すまん…私の連れが行き成りあんなことするなんて思わなくて…。」 そう、トリエラとピノッキオは今ここには居ない。 互いに顔を見た瞬間、手持ちの銃火器を発砲し始めた二人はそのままどこかへ行ってしまったのだ。 感情の読み取れない巨漢の男は少女、江戸前留奈の顔をじっと見つめている。 得体の知れない感覚に背筋が凍った。 どうにかしなければ。 ―――そうだ、この女を戦わせればいい。 ピノッキオほどでは無さそうだが槍を持つ姿がなかなか堂に入っているこの娘もきっと相当な手誰。 強制的に戦わせて、その隙に逃げればいい! 留奈は手を後ろに廻し、そこにあるはずの拡声器を握りしめた。 今こそ人魚古代歌詞(にんぎょエンシェントリリック)『戦いの詩』を歌う時である。 「下郎がぁ!私の歌を、聞きなさい!」 プォォォォォ~~~~ン……………… 辺り一面に甲高いトランペットの音が鳴り響いた。 「…………へ?」 なにが起こっているかわからない。思わず顔を上げ、男の方を見る。 トランペットを持っていた筈の手に、留奈が所持していた拡声器があった。 「そんな!何時の間に入れ替わって!?」 男、フレディはマイクをまじまじと見つめ、 その電源をONにした。 ◇ ◇ ◇ 建物の影に身を潜めるピノッキオはため息をついた。 走ってきた方向を除くと、髪を結んだ金髪の少女がウィンチェスターを構えながらゆっくりと歩いてくる。 僕はあの娘を知っている。なんとなく命を狙われる理由も分からないではないが……。 「ねぇ、こんなことしてる場合じゃないんじゃないの?別に殺し合いとか乗ってないんだけど?」 「そんなの知らないわよピノッキオ、私はあなたを殺す任務の途中だった。仕事はきっちりしないと。」 やれやれ、これだから女は嫌いだ。 そういえばさっきまで一緒に居たルナとかいう娘はちゃんと逃げたかな? 護衛なんかするつもりないけど、せめて巻き込まないように離れてあげたんだから期待に応えてほしいものだが。 いや、それだけじゃないか。 なんか嫌な予感がしたんだよね。あの場にいるとヤバイ気がしてどうしても離れたかったというか……。 金髪の少女、トリエラがこちらへ銃口を向ける。 「今度は、この前のように行かないわよ。」 ああ、そう。 じゃあ、今回はちゃんと止めを刺してやるよ! ピノッキオが建物から躍り出ると同時に、二つの銃声が辺りに鳴り響いた。 ◇ ◇ ◇ 朦朧とする意識の中、皆城総士はふと疑問を浮かべた。 ―――俺は一体何をしているんだ? 悲鳴を聞きつけ、フレディの元へ駆けつけた総士は、そこで甲高い声でシャウトする彼と、 正座で並んで歌を聴いている二人の少女を目撃した。 終始無言だったあの男の声を始めて聞く。 見事な英語で叫ばれるその歌に自然と胸の鼓動が高鳴るのを感じた。 ―――これがロックミュージックというものか。 いつの間にか目に涙を浮かべていた。 訳のわからない男だと思っていたが本当にロックシンガーだったのだろうか。 「………隣に、座っていいか?」 虚ろな目をして呆けている関羽の隣にやってきた総士もまた同じように正座する。 ここは殺し合いの会場。だが今彼らがいるこの空間には確かに調和が生まれていた。 【一日目 F-6 空き地 黎明】 【フレディ@魁!!クロマティ高校】 [状態]:健康 [装備]:拡声器(マイク)@真・恋姫†無双 [道具]:基本支給品、ランダム支給品×2 [思考] 基本:総士につきまとう 1:??? ※総士になつきました。 【皆城総士@魁!!クロマティ高校】 [状態]:困惑、洗脳 [装備]: [道具]:基本支給品、ランダム支給品×3 [思考] 基本:皆を探す、殺し合いには乗らない 1:フレディの言う事に従う ※フレディの歌に魅了されました 【関羽@魁!!クロマティ高校】 [状態]:健康 、洗脳 [装備]:十字槍「銀閃」 [道具]:基本支給品×1、ランダム支給品0~2(未確認) [思考] 基本:ゲームを潰す 1.フレディの言う事に従う ※フレディの歌に魅了されました 【江戸前留奈@魁!!クロマティ高校】 [状態]:健康、洗脳 [装備]:トランペット@現実 [道具]:基本支給品×1 [思考] 基本:生きて帰る 1:フレディの言う事に従う ※フレディの歌に魅了されました ※フレディがマジックアイテムのマイクを使用したことで于吉の持つ太平要術の書に 何らかの悪影響が出たかもしれませんが、それは次の書き手に任せます。 【一日目 F-4 警察署 黎明】 【トリエラ@GUNSLINGER GIRL】 [状態]:健康 [装備]:ウィンチェスターM1897(3/5)@GUNSLINGER GIRL [道具]:基本支給品×1、予備弾装×4、ランダム支給品0~2(未確認) [思考] 基本:ヒルシャーさんを生還させる 1:効率よく生き残る 2:ピノッキオを見つけたのでとりあえず決着をつける 【ピノッキオ@GUNSLINGER GIRL】 [状態]:健康 [装備]:ゆりっぺのナイフ@Angel Beats!、コルト ガバメント(7/7)Phantom ~Requiem for the Phantom~ [道具]:基本支給品×1、ランダム支給品0~3 、コルトガバメントの弾倉×4 [思考] 基本:おじさんの元に帰る 1:生きてここから脱出する 2:トリエラを巻く、殺しても仕方がない 038 絶望と、希望と 投下順に読む 040 宿縁 時系列順に読む 045 スクラップド・プリンセス 012 冷静と情熱のあいだ フレディ 047 I Was Born to Love you 皆城総士 019 関羽、トリエラとフラテッロの契りを結ぶのこと 関羽 トリエラ 050 クロマティ 逃げた先にも クロマティ 024 とある路地裏の小夜曲(セレナーデ) ピノッキオ 江戸前留奈 047 I Was Born to Love you
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ドキッ乙女だらけのいらん子中隊 ◆x/rO98BbgY 「ところで朱里ちゃん……ここ、どこなんだろう」 生死の狭間から生還出来た興奮が、ようやく静まったらしい巡が疑問の声を発する。 問われるまでもなく、それは朱里が先程から考えていた事だった。 あの時、巡の肩に担ぎあげられていた朱里は、確かに見た。 巡の背後。何もない空間から、滲むように現れた華蝶仮面の姿を。 そして彼女に抱きつかれた直後、自分達はここへと転送されたのだ。 前後の状況を考えれば、彼女があのホテルからこの場へと、自分達を連れ出してくれたという事なのだろうが……。 「わかりませんけど、地図によればこの島に森らしき地形は三か所だけです。 とりあえず、森から出てみれば現在位置も判るんじゃないでしょうか」 「うん、そうだねー」 よく判らない事を考えてもしょうがない。 今は現実的な対策を考えるより、他にはない。 憶測は出来る。 華蝶仮面――星には、空間を転移する術などない。 朱里が知る限り、それは于吉の如き妖術師の業だ。 ならば、張三姉妹が于吉に力を与えられたように、参加者の中には妖術の力を宿したアイテムを支給された者もいるのかもしれない。 だが、その力には危険が伴う可能性がある。 張三姉妹の張宝がそうなったように、悪の想念に呑みこまれてしまう恐れがあるのだ。 まったく別種の力を使っている可能性もあるが、とりあえず自重して欲しいと朱里は思う。 まぁ星に確認が取れない今、ただの憶測に過ぎない話なので、朱里はそれを巡には話さず、自分の心中にのみ留め置いた。 そして、自分達から見て二千年後の人間――巡は、果たしてこの不思議な現象をどう考えているのだろうと、そっとその顔色を窺う。 「それにしてもさ。華蝶仮面様カッコよかったねー。いったい何者なんだろ。名簿には載ってないみたいだけど……」 「さ、さぁー。誰なんでしょうねー。あはは」 どうやら巡は、瞬間移動した事については、あまり深く考え込んでいないようだった。 それは、彼女の生活環境から来る慣習なのか、はたまた頭が少し残念な人なのか、朱里には判断が付かなかったが、 おかしな状況に即応出来るセンスは、こういう場においては強みとなる事もあるのかもしれない。 それはさておき、二人は暗い森の中から抜けだし、居場所を確認する為に動き出した。 薄気味が悪い、夜の森。 そんな道中で、年若い少女たちは自然と雑談をはじめ、沈んだ空気を華やいだ雰囲気に作り変える。 置き去りにしてきてしまった日向や、殺し合いについての話題を努めて避け、話題の中心となるのは互いの仲間の話だった。 まったく違う環境で育った二人には、互いの話が興味深く、大いに盛り上がった。 「でね、その時永澄君ったら――」 「あはは、本当ですかぁー、その話」 「ホントだってェー、それで燦ちゃんが」 だが、朱里は会話を楽しみながらも、考えずにはいられない。 やはり殺し合いなんて絶対出来ない、普通の人たちも大勢連れて来られているのだと。 最初に全員が集まった場にいたのは、ほとんどが十代の少年少女たちだった。 そしてそんな彼らの中で、一際異彩を放つように剣呑な雰囲気を持つ者たちがいた。 たとえば、あの桃色の髪の少女たちのような。 『見ての通り、彼女のように、皆さん八十人の中には殺人を厭わない者も多く含まれます』 あの時、彼女たちの力を示す為に殺された、四人の人間がいた。 主催側の力を示す為の見せしめとするなら、強い力を持つ者を一人殺せば、それで済むはずだ。 だが、于吉たち主催者たちの言動からは、弱い者はいくら減っても大して困らないというニュアンスを感じた。 それは、彼ら弱い人間は、殺し合いの呼び水となるべく集められた存在に過ぎないという事だ。 于吉たちの狙いは、八十人全員ではなく、何か特別な力を持つ強者たちの側にあるという事だ。 それでは何を狙っているのかと問われれば、それはまだ朱里にも判らない。 なにせ朱里たちも于吉という妖術師を知るとはいえ、その実態は何も知らないに等しい。 彼の出自。 操る妖術の体系。 大陸の混乱を裏から操り、何を望んでいたのか。 そうした事に詳しく、于吉と対立関係にあったのは五斗米道の華佗であり、自分達はただ、その場その場の対処を手伝っただけだ。 結果として于吉を封じる大役を担ったとはいえ、劉備たち一行と于吉の間に、ほとんど接点はないのだ。 「ううう……。ゴッドヴェイドーーー!!」 「うわっ、なに? どうしたの? 朱里ちゃん」 「い、いえ……なんでもないです……ごめんなさい」 「はは……わかるわかる。あたしだって叫びたくなるもん」 考えが煮詰まり、つい朱里は大声で五斗米道の名を叫んでしまう。 この事態を収束させる役割は、本来華佗のはずなのだ。 なんの準備も無くこんな殺し合いに参加させられて、朱里たちに何かが為せるはずもない。 そんなストレスを感じて、らしくもなく奇行に走った朱里の髪の毛を、巡が優しく撫で撫でする。 「大丈夫だよ。朱里ちゃんは巡が絶対守ってあげるからね」 「はわわ……」 そんな風に言ってくれる巡に、何もしてあげられない事を朱里は歯がゆく感じる。 自分の考えが正しいとすれば、彼女の仲間たちは、到底この島を生きて出る事は叶わない。 そして、それは朱里たちについても同じ事だった。 于吉の狙いは判らないとはいえ、それが劉備たちへの復讐などではない事だけは理解していた。 復讐が目的であれば、ここまで大がかりな殺し合いを開く必要などない。 そして、劉備たちに再び于吉を滅ぼせる可能性があるのなら、そもそも招いたりはしないだろう。 あの時は于吉の知らない切り札が、こちらにあったからこそ策が立てられたが、ここは彼が用意した舞台だ。 そんなイレギュラーなど、起きるはずもない。 竜の爪『靖王伝家』がここに有ったら有ったで、それは既に于吉の脅威足りえないのだろう。 そう、ここは朱里たちの知らない21世紀の世界。 おそらく于吉は、その長い時間をかけて、あの時を遥に上回る力を蓄えたのだ。 そうして得た力を、誇示する為だけに劉備たちを呼んだのだろう。 だからきっと、自分たちが呼ばれたのは、ただのついで。 この殺し合いの中で、劉備たち一行に宛がわれた役は、大して重要でもない端役に過ぎない。 二千年の文明の進化は、朱里たちが知る戦の様相をまったく違うものに変え、あの関羽ですらも弱者の枠の中に入れてしまうだろうという事を、 銃や爆薬の脅威を知った朱里は、理解せざるを得なかった。 そして、闇の中を歩き続けた少女たちは、ようやく森の中を抜けた。 森の外は気付かない内に少しだけ明るくなっており、視界を遮る物が無くなった目の前には、四車線の広い道路がある。 「森を東の方に抜けて、三差路の道路があるって事は……ここは地図の座標だとD-4あたりかな?」 「そのようですね」 巡が広げた地図とコンパスを見ながら、朱里は相槌を打つ。 ここは北に行けば病院。 南なら警察署。 東に進めば学校という交通の要衝だった。 さて、どの方向へと進むべきか。 文字通り運命の分かれ道とも言うべき岐路を前に、朱里は少し考え込む。 「ねえ、それじゃ学校に行ってみようよ」 「学校……ですか?」 学び舎。 巡が指示したそれは、朱里の中では先生と呼び慕う水鏡と共に過ごした庵のイメージだ。 戦乱に焼け出された朱里を、優しく迎え入れてくれた記憶が朱里の胸の中に懐かしく蘇る。 「うん、みんなそこに集まってるかもしれないし……行ってみようよ!」 「そう……ですね。それもいいかもしれませんね」 地理的に言えば、島のほぼ中央にあるその建物は、どの方面からも人がやってくる危険な立地条件だ。 しかし、人を集めるというのは、朱里たち弱者が生き残る為、絶対にクリアする必要がある生存のための第一条件だった。 もちろん人を集める事、それ自体にも高いリスクはあるのだが、とりあえず行動しない事には始まらない。 そう考えた朱里は、巡の提案に乗り、学校を目指した。 伸るか反るかの賭けになるかもしれないが、躊躇っている時間的余裕などなかった。 こうしている間にも、仲間になってくれる人は、減っているかもしれないのだ。 周囲に気を配りながらも、誰か友人がいる可能性を信じて巡たちの足取りは自然と早まる。 幸い襲撃者とも出会うことなく、太陽が昇る前には二人は学校へと辿り着いた。 しかし、そこで少女たちが見たのは建物の一部が崩壊した、無惨な校舎の姿だった。 どのような戦闘が、この場であったのだろう。 コンクリートで出来た教室の壁が崩壊し、窓ガラスという窓ガラスが砕けている。 どうすれば、こんな事になるのか想像もつかない。 朱里は誰かいないのかと辺りを見渡し――巡に、強く腕を掴まれる。 「ど、どうしたんですか? 巡さん」 「あ、あれ……桃色の髪の……」 巡の震える指が差した方向にいるのは、校庭の芝生の中に座り込んでいる桃色の髪の少女だ。 だが、それは最初の会場にいた、あの少女たちではなく―― 「劉備さん! 大丈夫ですよ巡さん、あの人はさっき話した私の仲間ですから」 中山靖王の末裔、劉玄徳。真名は桃香。 その人柄はボケボケなところもあるが、正義感が強くて包容力のある優しい女性だ。 こんな殺し合いに乗るはずもない、朱里の仲間である。 「劉備さーん!!」 「あ、孔明ちゃん。ふえーん、助けてぇー」 劉備の元に駆け寄っていった朱里は、彼女の膝枕の上に頭を乗せているブロンドの少女の存在に気付いた。 傷病者の看護でもしているのかと思ったが、違う。 その少女は、よだれを垂らしながら、ただ寝ているだけだった。 「むにゃむにゃ……あと三時間……いや、四時間……」 「ああーんもうっ、いい加減起きてくださいよー!!」 ハルトマンと呼ばれたこの黒衣の少女は、先程の戦闘のあと、昏々と眠り続けていた。 『まだ夜じゃないか……寝る』 との事だった。 それ以来、劉備がいくら揺すっても起きる兆候すら見せないという。 優しい劉備には、それほど強硬な起こし方が出来なかったのも原因なのであろうが。 「うわーーん。もう、足が痺れちゃったよぉー!!」 「……いったい、何があったんですか?」 こんな戦場の中で、いつもと変わらない劉備たちの様子に、朱里と巡は呆れるやら和むやらで、複雑な心境であった。 【一日目 E-5 学校 早朝】 【銭形巡@瀬戸の花嫁】 [状態]:健康 [装備]:シグザウアー P232(8/8)@現実 [道具]:基本支給品×1、ランダム支給品0~2、予備弾倉×4 [思考] 基本:巡がみんなに社会の常識(ルール)教えてあげなきゃ、だけど…… 1:みんなを探す 2:この人たち何してるの? 【諸葛亮@真・恋姫†無双】 [状態]:健康 [装備]:ワルサー P99(エアガン)@CANAAN [道具]:基本支給品×1、ランダム支給品0~2 [思考] 基本:再び于吉を倒す 1:とりあえず、戦力集め 2:星さん自重 3:劉備さん無事だったんですね 【エーリカ・ハルトマン@ストライクウィッチーズ】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品×1、未確認支給品0~3 [思考] 基本:まだ眠い 1:すべすべでぷにぷにで、寝心地のいい枕だなzzz 【劉備@真・恋姫†無双】 [状態]:健康 [装備]:リャン・チーの中華刀@CANAAN [道具]:基本支給品×1、未確認支給品0~2 [思考] 基本:殺し合いを止めたい 1:この人いったいなんなんですかー? 2:孔明ちゃん助けて! 047 I Was Born to Love you 投下順に読む 049 座敷童子の親心 時系列順に読む 020 悪魔が目覚める日 エーリカ・ハルトマン 000 [[]] 劉備 022 チャオ ソレッラ 諸葛亮 銭形巡
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思い出は奪われ、憎しみの熾火が燻ぶる ◆x/rO98BbgY 闇の中を、西へと駆け抜ける異形の影があった。 防弾効果があると判明したシルバースキン・アナザータイプで、再び全身を隈なく覆った姿はまさに白銀の怪人。 周囲に明かりなどない闇の中でも、そのいでたちは凄まじく目立つ。 彼こそは、己が正義を貫く漢キャプテン・ブラボー……ではなく。 クロマティ高校の一年生、神山高志であった。 先程、この殺し合いの島において"ゲームに乗った男"と初対決した彼は、自らが囮となる事で友を逃がし、今もまだ逃亡の最中にある。 実はその男――ジョゼッフォ・クローチェは既に追撃を諦めて、追って来てはいないのだが、生まれて初めて銃で撃たれた 神山は動揺しており、その事実には未だ気付いていない。 『ジョゼさんはこの殺し合いに乗りました! 一見すると優男に見えそうな自称イタリアの警官で複数銃を持っています! 近くにいる方は直ちに避難してください! 仲間がいるそうですが彼らも乗った可能性が極めて大きいです! ……背の高い男のジョゼッフォ・クローチェさんです! ……既に3人も殺傷しており僕も撃たれました! 皆さんは避難してください!』 だから、神山はジョゼを引き付けるため。 そして、周囲の無辜の人々に警告をする為に、拡声器を使いながら逃走し続ける。 『繰り返します! フゥ……フゥ……』 何度目のリピートであろうか。 走りながら、長台詞を吐き続けた神山の息は乱れに乱れ、チアノーゼに近い症状になりかけていた。 それに加えて、胸を衝く打撲の痛みに神山は呻く。 実際、逃走直後には、声も出せなくなったほどの痛みだ。 もう警告を終わりにして、逃走に専念したほうがいいんじゃないかと思えてくる。 (いや……そんな軽々しくやめる事は出来ない。 まだ林田君が逃げ切れたかどうか判らないし、こっちにジョゼさんを誘導している以上、この辺に人が残っていたら大変だ……) 弱音を吐きそうな心と体に活を入れ直し、少年は警告を続ける。 とはいえ、体力は有限だ。 いつまでもこんな事を続ける事が出来ない事くらい、神山とて承知している。 (……そもそも、警告が長すぎるんじゃないのか? 名前を入れた所で彼の仲間以外には判らないし、これは外してもいいか) 『一見すると優男に見えそうな……自称イタリアの警官が殺し合いに乗っています! ……複数銃を持っており、大変危険ですので……近くにいる方は直ちに避難してください! ……仲間がいるそうですが……彼らも乗った可能性が……極めて大きいです! ……背の高い男です! ……既に3人も殺傷しており僕も撃たれました! 皆さんは……避難してください! フゥ……フゥ……』 名前を削ってみた。 だが、まだ長い。 もっと短く纏めるにはどうしたらいいか、神山は酸素の足りなくなった脳をフル回転させる。 聞く人の立場になって、考えてみてはどうだろう。 仲間がいるなどと警告されても、誰がその仲間とやらなのか判らないし、ただの可能性の話だ。 不確定情報は、疑心暗鬼を招いてしまう。 だったら、これも削っていいだろう。 『背の高い優男風の……自称イタリアの警官が殺し合いに乗っています! ……複数銃を持っており、大変危険ですので……近くにいる方は直ちに避難してください! ……既に3人も殺傷しており僕も撃たれました! 皆さんは……避難してください! フゥー、フゥー』 ……まだ長くないだろうか。 そもそも、こんな荒い吐息混じりの長台詞に、真剣に聞きいる人がいるだろうか。 クロマティ高校の面子だったら、最初のワンフレーズを聞いてくれるかどうかも判らない。 ならば削るべきは……銃を持ってるとか、三人殺傷したとかの辺りだろうか。 具体的な脅威を明らかにするのは良いが、長くて聞いてもらえなければ意味がない。 『背の高い優男風の……自称イタリアの警官が……殺し合いに乗っています! 近くにいる方は……直ちに……避難してください! フゥー! フゥー!』 …………。 大分短くなったが、脅威を告げる文面を取り払った結果、なにやら台詞に緊迫感と迫力がなくなってしまった。 まるで緩み切った、学校の火災訓練の放送のようだった。 ここで必要なのは真実味を伴った鋭い警告と、ジョゼへの牽制だ。 ならば、もっとこの状況に相応しい一句があるのではないか……。 神山は走りながら眼を瞑り、考えを巡らせる。 額に皺が寄るほど、深く考え込み――そして、答えを得た。 『人殺しだあああああーーーーー!!』 一回の契約で出現する弾丸を全てを使いきった蘇芳は、一旦現出せしめたデグチャレフBTRDを消し去った。 そして対価を支払う為、素早くルールブックを破り取り、折り紙を作る。 チラチラと手元を見ながらも、蘇芳の視線が標的から離れる事はない。 蘇芳が居るのは、小さなビルの最上階だ。 幸いにも標的の少女はそこから見える範囲に留まり続けており、どこかへと逃げ込む様子はなかった。 それどころか狙撃手が攻撃を止めたとでも思っているのか、足を止めて休んでいるほどだ。 その驚くほど無防備な姿は、とてもあの恐るべき怪物たちと同じ種族には見えない。 「なにかの罠……それとも、ボクを甘く見ている?」 だが、それでも少女に弾丸を当てる事が出来ないのは、いつもなら観測手を務めてくれるジュライがいないからだ。 いつしか家族のようにも思っていた、幼いドールの少年。 最後まで蘇芳に寄り添ってくれた彼は、あのゲートの中で銀に殺されてしまった。 「ジュライ……ボクに力を貸して」 少年の面影を思い出しながら、再び蘇芳は対戦車ライフルを具現化させる。 胸の中から放たれた、ランセルノプト放射光が室内に満ちる。 その柔らかな光と共に現れた対戦車ライフルの二脚を窓の枠に載せ、立射の姿勢で長大な砲身を桃色の髪の少女へと向けた。 具現化させたばかりの薬室には、既に14.5ミリ弾が装填されている。 「これは黒の為なんだ……」 呟きに込められた意思に、揺るぎはない。 かつて価値観の定まらない子供のまま契約者となった蘇芳は、何を持って合理的とするかも定まらない、契約者らしからぬ契約者であった。 時に人間的な感情を判断基準とし、時に契約者らしい一面を見せる不安定な存在だった。 だがゲートでの戦いを経て、自らの想いに気付いた蘇芳には確固たる価値観がある。 黒が大好きだという、絶対の価値観がある。 だから黒の為になると思えば、契約者らしく人殺しをも辞さないのが今の蘇芳なのだ。 スコープの先の少女を見据えながら、トリガーに指をかける。 父や黒の教えを思い出し、これまでの射撃によって得られたデータから微調整を加えた。 僅かな手元のブレが、長距離を往く弾道に致命的な誤差を与えてしまう。 だから慎重に狙いを定めたかったのに―― 『人殺しだあああああーーーーー!!』 予期せぬ大音声に、身体が硬直してしまった。 付近一帯に響き渡ったであろう拡声器越しのその声は、まるで自分を名指しで非難しているかのようで。 契約者となった蘇芳の、まだ柔らかな心の一部をぎゅっと握り潰す。 カノンという少女を殺した時の感触が、グリップを握る手に蘇った。 気が付けば、いつの間にかトリガーが引かれていた。 マズル・ブレーキから炎と煙が噴き出し、チャンバーからは自動で空の薬莢が排出されていた。 マッハ3で飛び出した55口径弾は、既に蘇芳にはどうする事も出来ない。 固唾を呑んで、スコープの中の世界を凝視する。 命中した。 今まで蘇芳が当てる事が出来なかった弾丸は、偶然の助けを得て少女の右腕を撃ち砕いていた。 いや、それとも先の邪魔がなければ、胴体に当てる事が出来ていたのだろうか――。 ――どうでもいい。 重要なのは、敵にようやく打撃を与える事が出来た。ただ、その事だけだ。 蘇芳は無意識のままポケットの中から弾丸を取り出すと、チャンバーに押し込んだ。 ボルトを操作してチャンバーを閉鎖、新たな狙撃体勢を整える。 特大の弾丸の威力に、身体ごと吹き飛ばされた少女は、よろめきながらも立ちあがって逃げようとしている。 右腕が丸ごと無くなったというのに、血を流す事もなく。 「やっぱり、怪物じゃないか……」 どこかから、こちらの様子を見ているらしき声の主も気にかかったが、やはりこの怪物を放置しておく事は出来ない。 通常の相手なら致命傷とも言っていい傷を与えたが、恐らく今のダメージだけで死ぬ事はないだろうという確信があった。 『人殺しがいるぞおおーーーーー!!』 再び聞こえてきた叫び声を無視して、蘇芳はトリガーを引く。 背中を濡らす、冷たい汗が気持ち悪かった。 『人殺しがいるぞおおーーーーー!!』 先程から断続的に大気を振動させる、重々しい発砲音。 そして、拡声器を通して伝えられた警告の声。 それらを聞いて、ゲルトルート・バルクホルンの心中は平静ではいられなかった。 脳裏に浮かぶのは、この島で出会った少女の姿だ。 泣きべそを浮かべた幼い顔が、バルクホルンの頭の中で、戦火に倒れた妹の顔と重なってしまう。 「待ってろっ! 今、お姉ちゃんが行くからな!」 身体が青白く発光し、使い魔であるジャーマンポインターの耳と尻尾が生えてくる。 彼女の固有魔法は、自らの身体能力を強化するという極めて使い勝手の良いものだ。 追走する男の事など脳内から消え去り、バルクホルンは魔力で強化した脚力を持って爆走する。 「くっ、どこだナナッ! お姉ちゃんはここだぞ! ここにいるっ!」 焦燥が胸を焼き焦がす。 周囲に呼びかけながら、必死に幼い少女の姿を探した。 雑多に入り組んだオフィス街を駆け抜けて、見通しのいいメインストリートに出る。 耳朶に発砲音が大きく鳴り響き、バルクホルンは現場に近付いている事を知覚した。 「うわあああぁぁん、お姉ちゃーん」 「――ッ!」 と、その時であった。 バルクホルンは、探し求めていた少女の泣き声を耳にする。 朝靄の中に、よたよたと走ってくるシルエットがあった。 「ナナ!?」 バルクホルンは、思わず息を呑む。 そのシルエットには、何かが欠けていた。 服はボロボロになり、バルクホルンが与えた帽子を失くし、右腕を丸ごと喪っていた。 「ナナ!!」 駆け寄って抱き締めると、ナナはバルクホルンの腕の中で、ほっとしたように脱力する。 しかし――。 『人殺しだあああああーーーーー!!』 先程からずっと続いている拡声器の声を聞くと、ナナはびくっと小さく震え、身体を硬直させる。 そしてバルクホルンに対して、言い訳をするようにまくしたてる。 「ち、違うよ。ナナ、人を襲ったりしてないよ……。 ちゃんといい子にしてたのに、いきなり撃たれたんだもん。 ナナは何もしてないんだよ……ナナは……ナナは……」 「判ってるっ! 済まなかったな、一人にしてしまって……。 もう大丈夫だぞ。悪い奴は、お姉ちゃんがぶっ飛ばしてやるからな」 バルクホルンは、そんなナナの髪の毛を優しく撫でた。 ナナの四肢は、既に義肢である。 右腕を失っても、肉体的なダメージは特にないだろう。 だが、この純粋無垢な少女にとって、何の理由もなしに襲われたショックは如何ほどのものか。 バルクホルン自身も、そうしてナナと出会っただけに不憫に思う。 ナナの身体は、こんなにも暖かだと言うのに、なぜ化け物扱いされてしまうのか。 「――クソッ! ナナ、お前を苛めた奴はどこにいるんだ! わたしが――」 「ううん、もういいよっ! それより早く逃げよ? ナナ、もうここには居たくないよ……」 怒りに満ちた眼で周囲を見渡すバルクホルンに、ナナは逃亡を訴える。 あのクラスの銃弾は、ナナでは軌道を逸らす事さえ出来はしない。 自分はともかく、バルクホルンを巻き込んでしまうのが怖かった。 バルクホルンが、自分を見捨てたわけじゃないと判っただけで、ナナは満足だった。 「……そうか。ナナがそういうんだったら……」 バルクホルンとしては、こんな無法を働く人間を許せなかった。 どうやら犯人はスナイパーらしいが、このまま放っておいたら、また罪もない人間が傷付けられるかもしれない。 戦場においてスナイパーとは、それほど恐ろしい存在なのだ。 だが傷付いた少女を一人残して戦いに行く事など出来なかったし、冷静になってみれば、ここでこうして突っ立っているのも危険すぎる行為だ。 いつの間にか攻撃が止まっていなかったら、今頃二人とも頭を吹っ飛ばされていたかもしれない。 慌ててナナを建物の影へと引っ張り込みながら、バルクホルンは忘れものに気付く。 「あ、そういえば黒は……」 「黒?」 ここに来る前に出会った、一風変わった青年の事をようやく思い出し、バルクホルンは周囲を見渡す。 いない。 自分の指示通り倉庫に隠れたのか、それとも自己判断で逃げたのか。 それは判らなかったが、とにかく青年はいなくなっていた。 「あ……いや、なんでもない。行くぞ、ナナ」 ここから撤退した後、倉庫に行って彼と合流してもいいが、その場合はナナの説明をしなければならないだろう。 彼は温和な性格だったから、ちゃんと説明すれば面倒な事にはならないはずだが、ナナ自身が自分の素性を明かすのを嫌がるかもしれない。 もし、彼にナナを預ける事が出来れば、自分一人でさっきのスナイパーを倒しに行く事も可能なのだが。 バルクホルンはそんな事を考えながら、傷付いたナナを連れてその場から逃げ出した。 そして時間をかけて細い路地を進み、ある程度の距離を取り、ようやく人心地ついた頃、ナナがぽつりと呟きを漏らす。 「え……嘘。ルーシーさんの気配が――消えた?」 【一日目 G-4 市街地北部 早朝(放送間際)】 【ゲルトルート・バルクホルン@ストライクウィッチーズ】 [状態]:健康 [装備]:トカレフTT-33(14/15)@Phantom ~Requiem for the Phantom~ [道具]:基本支給品×1、予備弾装×4、ランダム支給品0~1(確認済) [思考] 基本:ナナと一緒に島を廻って危険人物を片付ける 1:倉庫に行き黒と合流するか、それとも―― 2:できれば芳佳を保護する 3:フラウやシャーリーは…あいつ等なら大丈夫だろ [備考] ※一期で芳佳が謹慎処分を受けた後から参戦 【ナナ@エルフェンリート】 [状態]:疲労(中)、右腕喪失(義肢なのでダメージはありません) [装備]:なし [道具]:基本支給品×1、ランダム支給品1~3(確認済) [思考] 基本:何とかして生き残って、蔵間(パパ)と再会する 1:ルーシーさん、まさか…… [備考] ※マリコとの対決後からの参戦 折り紙が、もうひとつ出来ていた。 やはり動く標的に当てるのは、中々上手くいかない。 先程の衝撃で軽い脳震盪でも起こしたのか、フラフラ走る標的は狙いにくかった。 『人殺しだあああああーーーーー!!』 「うるさいっ!」 続けられる罵声に悪態を返し、蘇芳はトリガーを引こうとして――止めた。 状況に少し変化があった。 標的の少女が、他の人間と接触したのだ。 (仲間? ……でも、角付きじゃないな) 犬のような耳としっぽ。そして、なぜかはいてない。 その人間は、桃色の髪の少女たちとは少し違う特徴を持っていた。 だが、普通の人間じゃない事だけは間違いない。 犬耳の少女が、桃色の髪の少女を抱き締める。 まるで姉妹のように仲睦まじい様子を見て、蘇芳の心が少し痛んだ。 蘇芳にもかつて居たはずの、そんな存在を思い出して。 (友達……それとも、家族なのかな) 怪物にもそんな存在がいる事を知った蘇芳であったが、契約者ならではの合理的な感性が、とあるアイディアを少女に齎した。 友釣りという戦術がある。 狙撃で傷付けた兵士を餌に、その仲間たちを次々とおびき寄せる非情なるスナイパーの戦術だ。 意図したわけではなかったが、今の状況はまさにそれだった。 心は痛んだが、躊躇いはなかった。 この状況を上手く生かせれば、他の角付きたちをも、おびき寄せる事が出来るかも知れない。 訪れた絶好のチャンス。 しっかりと狙いを定めて――。 「!?」 スコープの中を、黒い影が横切る。 驚いて顔を上げた蘇芳の前に、ロープアクションで窓から飛び込んできた男の姿があった。 「ヘ」 ヘイと、名を呼ぶ間もなかった。 頬に熱い衝撃が走り、蘇芳の軽い身体が、硬い床に叩きつけられる。 赤毛の三つ編みが、しっぽのように飛び跳ねた。 ジンと痺れるような痛みは、蘇芳にとって馴染みのあるものだ。 直ぐに黒に頬を張られたのだと気付き、上半身を起こす。 「何をしている。大人しく待っていろと言っておいたはずだぞ」 感情を見せない瞳。 だが、その口調には抑えきれない苛立ちを感じさせた。 そんな黒と視線を合わせながら、ちゃんと説明しなきゃと蘇芳は思った。 自分が事に及んだのには、ちゃんとした理由があるのだと。しかし。 「ボクは……」 『人殺しがいるぞおおーーーーー!!』 喧しい拡声器の声と、それに伴うハウリング音が、蘇芳の機先を制した。 伝えたかった言葉が胸の中で詰まり、蘇芳の唇を虚しく震わせる。 切れた口の中を、苦い鉄の味が満たした。 黒としても、いきなりこんな騒動を起こされたのは想定外だった。 失望したという、苦い気持ちが心中を占める。 自分の知らない記憶を持つ、蘇芳という少女の存在。 1945年を生きていたというウィッチの存在。 そしてなによりも、ここの空には本物の月と星があった。 夜空に瞬く偽りの星は、今や二つしかその存在を観測出来なかった。 あの軍人は、タイムトラベルかもしれないと言っていたが、アンバーの能力にしても、ここまでの状況を作り出せるとは思えない。 ゲートの中でなら、なんでも有り得るのかもしれないが、それにしてはこの世界は安定しすぎている。 ならば既にこの世界は、黒の知識だけでは判断出来ない代物だと言えるだろう。 そんな状況で、軽々しく主催者の言いなりになど、なれるものではなかった。 様々な事実を調査し、予断のない判断をしていかなければ生き残れはしない。 だというのに。 打放しのコンクリートの床には、契約の対価である折り紙が二つ。そして十を超える巨大な薬莢が転がっている。 窓の外には、寄り添いあいながら逃げていく二人の少女たちが見えた。 その内の一人は、隻腕となっている。 蘇芳の暴走は、明白だった。 これではただ、島に無用な混乱を齎しただけだ。 あの涙に、判断を曇らされたのではないかと、黒は思う。 人間らしさを残した契約者。 そんなアンバランスな存在に、黒はつい興味を抱いてしまった。 それが、間違いだった。 契約者は、所詮契約者でしかなかったのだ。 「黒……? どこに行くの?」 踵を返して部屋から出て行こうとする黒に、蘇芳が問う。 振りかえった黒は、知らない人間でも見るかのように蘇芳を見つめる。 「お前と一緒には、やっていけない。ここからは別行動だ」 「え……」 窓の外からは、相変わらず騒々しい拡声器の声が響いている。 そんな中で、蘇芳は絞り出すように黒に訴える。 「いやだ……いやだよ黒……。いつでも傍に居てくれるって、言ってくれたじゃないか……」 「そんな事、俺は知らない」 黒が部屋の扉を開ける。 蘇芳は、縋り付くように甘えた声を出す。 「いやだよ黒……。ボク、黒の作ったペリメニがまた食べたいよ……」 「そんな物、俺は知らない」 黒が部屋から出て行ってしまう。 蘇芳は、泣く寸前のような声で黒に尋ねる。 「別行動って……ボクは何をすればいいんだよ」 「何もするな。じっとしていろ」 扉が、強く閉まる。 黒は、行ってしまった。 残された蘇芳は、ぺたんこ座りで扉を見ながら、力なく呟く。 「……銀の所に行くの? 決着をつけたら、戻ってきてくれるんだよね?」 応えはない。 だが、蘇芳には判っている。 今の黒は、苦しみながらも銀と決着を付けようとしていた頃の黒ではない。 彼は、銀を探し求めて、そして――。 「やだよ黒……あんな奴のところになんて、いかないでよ……あいつは……」 紫苑を、そしてジュライを。 自分から奪っておいて、そして今度は黒をも奪おうというのか。 もう、自分には黒しか残っていないのに。 銀に対する憎しみが、蘇芳の中で膨れ上がる。 座った眼で扉を睨みつけていた蘇芳の視線が、何かに気付いたかのように部屋に備え付けの洗面台に転ずる。 そこでは、水滴を伝って来た観測霊が、蘇芳を見ていた。 それは半透明の、艶めかしい少女のラインを形作っていき、あの女のシルエットとなる。 「――ッ!!」 傍に転がっていたデグチャレフを、腕の力だけで振り回し、発砲。 至近距離から放たれた対戦車ライフルの威力は、洗面台を粉々に粉砕した。 「渡すもんか……あんたなんかに……」 黒に叩かれた頬が熱い。 今の蘇芳には、この痛みだけが残された黒との絆だった。 蘇芳は頬を擦りながら、黒の事を想う。 頬を流れる雫が、少しだけ熱を冷ましてくれた。 【一日目 G-4 ビル 早朝】 【黒@DARKER THAN BLACK】 [状態]健康 [装備]椎名の短刀×2@Angel Beats! [道具]基本支給品×2、ロープ@現実、フリーガーハマー(残弾70%)@ストライクウィッチーズ [思考] 基本:銀とともに殺し合いから脱出する 1:銀と合流したい 2:観測霊や時間を操る契約者(アンバー)との接触を図る [備考] ※一期最終回後から参加。契約能力使用可能。 ※蘇芳の事は別の時間から来たと考えています 【蘇芳・パヴリチェンコ @DARKER THAN BLACK】 [状態]疲労(中)、頬に腫れ [装備]なし [道具]基本支給品×1、特別支給品0~1個(確認済)、ルールブック2冊(黒と蘇芳)、核鉄@武装錬金 [思考] 基本:黒と旅を続ける 1:黒と一緒にいたい 2:銀を殺したい [備考] ※二期最終回、銀に魂を吸われた直後からの参加。 ※ルールブックのページを数枚消費 『人殺し……ガハッ、ゲホッゲホッ!!』 神山は、通過してきた周囲で起こった騒動にも気付かず、ひたすらに声を張り上げながら走っていた。 だが、もはや喉はからからで、今にも張り避けそうであった。 (そろそろ……警告を止めて、身を隠しても大丈夫かな?) 流石にこれ以上は無理だと思った神山は、拡声器を鞄に仕舞う。 本音を言えば、この暑苦しいコートも脱いでしまいたかったのだが、解除方法が判らなかった。 シルバースキンに覆われた素肌は汗だくで、蒸し風呂のように蒸れてしまって堪らない。 安全を確保したら、風呂にでも入りたいと少年は思った。 (林田君も、無事でいてくれるといいんだけど) 昇りつつある朝日が、この島を照らしていくのを感じながら、神山は一人、身を隠せそうな場所を探して走って行った。 【一日目 G-3 道路 早朝】 【神山高志@魁!!クロマティ高校】 [状態]:胸部に痣、疲労(大)、喉が痛い [装備]:核鉄「シルバースキン・アナザータイプ」@武装錬金、拡声器@現実 [道具]:基本支給品×1 未確認支給品0~1 [思考] 基本:この島から逃げる為に仲間と協力者を集める 1:僕の考えは正しかった! 2:一刻も早くメカ沢くんを手に入れる 3:このコートは防弾ジャケットだったのか! 備考:商店街方面へ逃走、拡声器を使用した為近くにいる人間に聞かれた可能性があります。 042 オープンウォーター 投下順に読む 044 嘲笑 時系列順に読む 037 我が良き友よ 神山高志 000 [[]] 041 倍額保険 蘇芳 066 留守番 黒 000 [[]] ゲルトルート・バルクホルン 000 [[]] ナナ
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本編SS目次・投下順 0~50 51~100
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世界の蝶番はうめく ◆MVYO7niwxE 「ウチは厳格な家庭でよ。親の前じゃ、カツラを外しているんだ」 林田は手際よくモヒカンを被り直す。ピノッキオはこの東洋人を慎重に観察している。 「そこまでして、その髪型に拘る必要はあるの」 「クロ高のワルがサラリーマンみたいな七三分けじゃ恰好つかねえだろ」 「ふぅん、大変だね」 心のこもらない声で相槌を打つ。 ピノッキオの関心は彼の外見から、呼吸や姿勢、仕草へと移行していた。 初めに見かけたときは、その全身から恐怖と混乱がにじみ出ていた。 だが、今はどうだ。異常なまでに肝が据わっている。この短期間で心境にどんな変化があったのか。 などと、思い巡らしていた時、林田は馴れ馴れしく語りかけてきた。 「話は変わるけどよ。この殺し合いって、実はたいしたことないんじゃねえか」 「素人が優勝できると思ってるの。馬鹿じゃない」 会場で見た異能力者に加え、福祉公社の連中までいるのだ。 一流の殺し屋のピノッキオでさえ、彼らの皆殺しをするのは困難だと認識している。 「いや、そういう意味じゃねえ。あれは飯を食ったり、授業中に昼寝したり、 ヨソの高校と喧嘩したりするのと変わらない、退屈で平凡な日常じゃねえかってことだ」 モヒカンが風でそよぐ。生き物のように捉えどころなく動く。 ピノッキオは彼の突飛な問いかけを前に、つい考え込んでしまう。 自分にとって平凡な日常とはなんなのか。暗殺稼業だろうか。殺しは得意だが別に趣味ではない。 ただ、育ての親、命の恩人であるクリスティアーノのためにやっている。あの人はそれを喜んでいるのかよく分からない。 それでも、自分にできることは他にないから、任務に従い人を殺す。自分の意思で選んだ道だ。 逆に平凡な日常でないものはなんだろう。それは農村でやったブドウ畑の世話かもしれない。 あれは悪くない。ずっと続けていたいと思う。けれど、それでは暗殺者の牙が鈍る。 二つの世界は大きな隔たりがあり、両立できない。だから、 「君にとって、この世界は日常とは別モノさ」 そして、ピノッキオにとっては、ありふれたルーチンワーク、変わらない日常。 ここは生と死の境界がせめぎ合う空間。喪失、怨嗟、殺戮が満ち溢れている。 「いや、違うな。それは認められねえ。 てめえはムードに流されて、ここが平凡な日常じゃないと思い込まされてるんだ」 なぜか強気に出るモヒカン男。 「いつもと違うから、いつもと違うルールに従え。オレはそういう考え方が大嫌えだ。 ワルってのは、食いたいときに食って、寝たい時に寝る。人殺しなんざに手は染めない」 「面白いことを言うね。でも、口先だけじゃ、現実は変わらない」 ピノッキオは相手を小馬鹿にしたように言った。だが、林田は鼻息荒く反論する。 「人間ってのは、先入観から解放されれば何だってできる。 現にオレは英語を喋れない思い込んでいたが、お前と話せている」 「……それは別の理由だと思う。あと、ボクが話すのはイタリア語だよ」 「えっ、そうだったのか」 林田はモヒカンを抱えて膝をつく。ピノッキオは眉を潜めて考える。 この東洋人はからかっているのか。それとも規格外の馬鹿なのか。いずれにせよ、只者ではない。 ――だったら……アンタが私様を守りなさいよっ! ピノッキオは江戸前留奈を守るために雇われている。あの少女もまた、破天荒だった。 彼女ならば、奇妙な東洋人の使い道が分かるかもしれない。 彼をオーナーの元に連れて行こうと決意する。 その直後、両者の針路を決定づける放送の刻が訪れた。 ○ ○ ○ 「神山、竹之内、フレディ、3人とも死んじまったのか。ちくしょう、ちくしょう……」 林田は公園のベンチに両手を強くたたきつける。号泣、男泣き。 (神山はまだ、呼ばれてないけど) というツッコミを、ピノッキオはするつもりはなかった。ただ、冷めた目で見守っていた。 眼前の涙はありふれていて、殺し屋の興味を引くものではなかった。 自分の目的はクリスティアーノの元に帰ること。そのための手段はどうでもよかった。 確かに、少女を殺すのは気分は悪い。けれども、勝手に死ぬ分には仕方ない。 ただ、江戸前留奈は彼にとって興味深い人間だった。彼女の中に、元の世界での現クライアント、 フランカに似たものを感じ取ったからかもしれない。だからこそ、彼女の取引に乗った。 けれど、その少女は死んでしまった。彼はふたたびフリーになった。 下手人は名前と虐殺数からして、おそらく福祉公社の人間だろうか。 公僕が一般市民を虐殺とはお笑い草だ。 この東洋人が言うように、ここは『好きに振る舞える世界』かもしれない。 ウキツと仕事の契約を結んだ覚えはない。誰を殺しても、殺さなくても自由だ。 ピノッキオは林田の態度次第で行動を変えようと思った。 もし、失意に囚われたままならば、一緒にいても鬱陶しいだけだ。 当初の予定通り、首をはねる。ポケットに隠したナイフを軽く握り締める。その刹那、 「頼む、俺を弟子にしてくれ」 林田は砂利道の上で土下座していた。ピノッキオは呆気にとられる。 彼はこれまで、誰かの下で働くことしかしていない。 「いきなりそんなこと言われても困るんだけど」 「アンタは喧嘩のプロかなんかだろ。カツラを掴んだ時の動きでわかったぜ。 今だって、殺気をビンビン飛ばしてやがる」 彼は自分の正体を察したうえで、虚勢なき余裕を見せていたのか。 ピノッキオは林田の胆力に関心する。それとも、これまで忘れていただけなのか。 もしそうだとしたら、やっぱりただのバカだ。 「意外とよく見てるんだね。でも、君と一緒にいることに何のメリットがあるの」 「……ああ、そうだ、メカ沢だ。メカ沢に会えば首輪を外せる」 おそらく、メカが得意だからメカ沢。きっとニックネームなのだろう。 ピノッキオも首輪の枷はできるだけ早く外したいと考えていた。 殺しを強制する者に逆らうことは、これまでにない奇妙な興奮を覚える。 そして、いつもと変わらない声で答える。 「外見の特徴は?」 「言葉で説明するのは難しいというか、触れちゃいけない部分があるんだが。 簡単に言うと声が渋くて、やたら丈夫で、顔が大きい男子高生だな」 イマイチ要領を得ないが、一目で識別できるユニークな容姿なのだろう。 林田は地面ギリギリまで顔を近づけ、殺し屋の少年に懇願する。 「オレは自分の弱さに腹が立ってるんだ。 もっと強くなりてえ、仲間を酷い目に遭わせた連中を一発ぶん殴りてえ、友を助けてえ。力を貸してくれよ、師匠」 ピノッキオは林田をカミソリのような視線で貫いた後、ゆっくりと口を開いた。 「君に暫く付き合うよ。ただ、師匠になるのは御免だけどね」 「すまねえ。師匠、恩に着る」 少年は興奮した様子で顔を上げた。 二人は北へと向かう。首輪探知機の利用はある程度近づいてからだ。 ただ、林田は言葉足らずだった。 メカ沢に出会っても、神山の助力がなければ何をすればよいのかわからない。 だが、当の本人は神山は死んでしまったと勘違いしている。 そして、ピノッキオ自身、生存を告げる必要を感じていない。 この齟齬はいつ、解消されるのだろうか。 【一日目 E-4 朝】 【林田慎二郎@魁!!クロマティ高校】 [状態]:健康、疲労(大)、自責 [装備]:首輪探知機残り@バトロワ 使用回数4回 [道具]:基本支給品×1 未確認支給品1~2 [思考] 基本:とにかくクロ高の仲間を集める 1:神山の遺志を継いでメカ沢たちを見つける 2:神山の敵を討つ 3:ピノッキオを師匠呼ばわりする 備考:神山が放送で呼ばれたことに気づいていません 【ピノッキオ@GUNSLINGER GIRL】 [状態]:健康 [装備]:ゆりっぺのナイフ@Angel Beats!、黒のナイフ(ベルトのギミック付き)@DARKER THAN BLACK、コルト ガバメント(7/7)@Phantom ~Requiem for the Phantom~ [道具]:基本支給品×1、ランダム支給品0~2 、コルトガバメントの弾倉×2 [思考] 基本:おじさんの元に帰る 1:林田と共にメカ沢を見つける 2:トリエラとは二度と会いたくない 3:武器が欲しい 063 知らぬが仏 投下順に読む 065 MOTER 時系列順に読む 050 クロマティ 逃げた先にも クロマティ 林田慎二 0 [[]] 050 クロマティ 逃げた先にも クロマティ ピノッキオ 0 [[]]
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死亡者リスト 一日目 第一回放送まで 第二回放送まで
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